特別受益・寄与分

このようなトラブルはございませんか?

  • 兄弟のうち、大学院進学・留学していた/新居建築の資金援助を受けている、などの生前の援助を考慮しないと不公平だ
  • 親をずっと介護してきた労力を考慮しないと不公平だ
  • 親を介護してきたと主張されてごくわずかな取得分のみ提示されているが、これではかえって不公平だ

特別受益を考慮した公平な遺産分割

特別受益とは

特別受益とは、被相続人から遺贈を受けたり、生前に贈与を受けた者がいる場合に、共同相続人間の公平を図るため、特別な受益にあたる部分を相続分の前渡しとして、計算上すでに取得したものとして調整する制度です。
遺贈(遺言によって与えられる財産)や死因贈与などのように特別受益にあたることがわかりやすい場合もありますが、生前の贈与は、特別受益にあたるかどうかが争いになることが多くあります。
たとえば、大学学費・留学費用、新居建築の際の資金援助、生活費の援助、被相続人名義の不動産の無償使用(建物に同居していたり、被相続人名義の土地の上に建物を建てた相続人がいるなど)などは、よく見る例です。

生命保険金の取扱い

被相続人が特定の相続人を受取人指定しており、相続財産に比してあまりに特定の相続人だけが有利という例もよく見られます。しかし、生命保険の場合、特定の相続人は、保険契約に基づいて保険金を取得するため、原則として特別受益にはあたらないこととなります。
とはいえ、相続人間で特に不公平であるという特段の事情がある場合には、特別受益に関する民法903条の規定が類推適用される、という最高裁判決があり(最判平成16年10月29日民集58巻7号1979号)、このような可能性があることを念頭に置いて遺産調査をすべきといえます。

持ち戻し免除

特別受益に該当することとなっても、被相続人が持ち戻しを免除(特別受益の調整をせず、特定の相続人に相続分以外に財産を相続させる意思を表明していたこと)する意思を明示・黙示で表明していたと判断される場合があります。このような場合には、特別受益を考慮せずに遺産分割等を行うこととなります。
持ち戻し免除の問題は、被相続人が明示または黙示で持ち戻し免除の意思表示をしていたかどうか、が主要な争点となります。
この点、平成30年7月13日公布の相続法改正においては、婚姻期間が20年以上の配偶者に居住不動産を遺贈・生前贈与した場合には、持ち戻し免除の意思表示があったとする推定規定が新設されました(令和元年7月1日施行)。

特別受益の調査

被相続人名義の土地上に建物を建築しているというわかりやすい例もありますが、被相続人から多額の資金援助を受けていると思われるけどどの程度かわからない、遺産が想定よりも少なすぎるため生前贈与を受けているのではないか、という事例も多くあります。
そのような場合には、まずは遺産の内容を調査することになります。他の相続案件同様に、遺産の内容に加え、預貯金の取引履歴を調査することで、不自然なお金の流れを発見できるケースもあり、特別受益に準じて取り扱われる可能性のある生命保険契約(引落等)を発見できるケースもあります。
遺産調査サービスについては、こちらをご参照ください。

寄与分・特別寄与料

寄与分・特別寄与料とは

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした者がある場合に、相続人間の公平を図るため、当該寄与を考慮して取得額を調整する制度です。
特別寄与料とは、相続人ではない者が被相続人の介護をしていた場合(典型的には、息子の妻が献身的に介護をしていたが相続人ではない場合)に貢献度合いに応じて、他の相続人に金銭請求をできる制度です。平成30年7月13日公布の相続法改正において、新設されました(令和元年7月1日施行)。

寄与分・特別寄与料該当性について

寄与分・特別寄与料に該当する特別の寄与とは、被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待されるような寄与を超える貢献である必要があります。
代表的な寄与行為の態様としては以下のものがあります。

家業従事型

被相続人の家業に従事したというものですが、これが認められるためには、①特別の貢献、②無償性、③継続性、④専従性が必要です。

金銭等出資型

被相続人に対し、不動産購入、医療費、施設入所費などを負担したというもので、その金銭支出と財産の維持・増加との因果関係があることが必要です。

療養看護型

一般にイメージしやすい類型ですが、想定しているよりも認められるハードルは高いと思っておいた方がよい印象があります。
療養看護の必要性、特別の貢献、無償性、継続性、専従性が必要です。

扶養型

仕送りや衣食住の面倒を見ていたというものが多く、扶養の必要性,特別な貢献、無償性、継続性が必要となります。

財産管理型

被相続人の財産(不動産など)を管理したことによるもので、こちらも財産管理の必要性、特別の寄与、無償性、継続性が必要となります。

寄与分・特別寄与料の立証について

被相続人に対して特別な貢献をしたとしても、その証拠がないと認められにくいのが一般的です。
たとえば、療養看護型であれば、貢献の期間や内容がわかるもの(被相続人の疾病の状況がわかるもの、療養看護日誌、要介護認定認定調査票、ヘルパー等の記録)などをもとに立証していく必要があります。

特別受益・寄与分が主張されるケース

特別受益が主張されるケースでは、特定の相続人が明らかに特別受益を受けていて不公平であるというケースや逆に特別受益(に該当しないもの)と主張されて相続分を低く提示されている場合があります。
寄与分が主張されるケースでも、ご自身が献身的な介護をしていたことを評価されないというケースや逆に同居していただけなのに寄与分を主張されて相続分を低く提示されている場合のいずれもあります。
いずれの場合も、特別受益・寄与分に該当するかどうかを証拠によって説得していく必要があり、感情的に受け入れにくい主張の応酬となることが多く、複雑化・長期化する傾向にあります。それでも、あまりに不公平である場合にはしっかり主張すべきであることもありますし、立証可能性や早期解決を考慮して柔軟に解決すべき場合もあります。
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遺産分割交渉・調停・審判サポートは、こちらをご参照ください。
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特別受益・寄与分の解決事例

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